千葉佐那子 
 ちば さなこ 

 
 
  天保9年、北辰一刀流千葉周作の弟、千葉定吉の長女として生まれる。  

  北辰一刀流免許皆伝の腕前を持ち、馬術、長刀にも優れていた。  

  佐那子が17歳の時、江戸に留学してきた坂本竜馬が八重洲の道場に  

  入門し、佐那子は坂本の修行の相手をつとめる。入門5年後、坂本は  

  師定吉から北辰一刀流長刀兵法の目録を得、また互いに思いあうよう  

  になっていた佐那子との婚約を許された。その際千葉家から坂本に  

  短刀一振が正式に贈られ、何も持っていなかった坂本は新しい紋付を  

  差し出したという。二人は天下静定の後に祝言をあげることを約束  

  した。坂本は土佐にいる姉乙女に佐那子に心が傾いていることをあ  

  らわした手紙を送っている。この後坂本は江戸を離れ、国事に奔走  

  するうちに京でお龍と出会い、佐那子を忘れ、お龍と結婚する。  

  佐那子はそのことも知らず、婚約から9年後の慶応3年11月、坂本  

  の死の報を知る。その後佐那子は独身を貫き、坂本の妻として生きた。  

  維新後、華族女学校(学習院女子部)の舎監をしていたが、それも辞め  

  千住の長屋の一角で家伝の灸治療をして暮らした。  

  明治29年10月15日、佐那子は59歳で他界する。  

  佐那子の遺骨は東京・谷中の天王寺に埋葬されたが、身寄りのない  

  佐那子は無縁仏になってしまうため、千住で灸の治療を受けていた  

  小田切謙明の妻豊次が不憫に思い、甲府市朝日町の清運寺小田切家  

  墓地に分骨した。  

  墓は高さ1mほどの自然石で、裏面には「坂本龍馬室」とある。  

  佐那子は坂本の紋付の肩袖を切り取り、形見として大切に保管して  

  いたという。  



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